誤解その4:「同感」することは、カウンセリングに有効

例えば、上司とのもめごとがあり、怒っているクライエントに対して、「それはあなたの上司がひどいですよ。私も似たような経験をしましてね、本当に腹が立ちましたよ。」と「同感」するのはどうでしょう?

「同感」を前面に出すと、クライエントとの連帯感を醸し出しやすくなり、コミュニケーションが進むと思って、よく「同感」してしまう人がいます。しかし、これも2次の実技試験では、マイナスの評価になる怖れがあるので、気をつけましょう。

「共感」と「同感」の違いは何でしょう。日本マンパワーの養成講座のテキストでは、共感について、『重要なのは、クライエントの「内的準拠枠」=「相手のものの見方、感じ方、受け取り方、価値観」などを感じ取り、自分もあたかも相手と同じ「ものの見方、感じ方、受け取り方、価値観」を持っていたら、こんなふうに感じるだろうなあと、まさに相手の内側に立って、その気持ちをありありと推測し感じ取りながら聴いていく姿勢です』と述べています。

注意が必要なのは、「共感」というのは、クライエントの私的な世界を、あたかも自分自身のものであるかのように感じ取り、しかもクライアントの怒りや恐怖や混乱には巻き込まれないようにするということです。

冒頭の例の場合、クライエントの話の内容を 、CDA自身の経験や価値観、考え方に引き寄せてしまっているため、「共感」ではなく、「同感」になってしまっています。

「同感」になってしまうと、CDAの価値判断のフィルターを通して、クライエントの声を聞いてしまい(即ち、無条件の受容でなくなってしまい)、クライエントの自己探索を支援できなくなってしまう恐れがありますね。