職場での傾聴

忙しい職場では、手短に話した方が良いと思うのか、こんな会話になりがちです。
Aさん:「○○さん、課長が早く報告を欲しがっているようでしたよ」
Bさん:「うん、わかった」
 
Aさんは、Bさんがのんびりしているようなので、課長に怒られないよう、親切心でこのように言ったのです。
でも、Bさんの返事を聞いて、『もう親切に言ってあげるのは止めようかな』と内心、思いました。

別の話・・・
CさんがDさんに仕事の悩みを相談しています。
Dさんは、「わかるよ」、「なるほど~」、「それって、こういうことだよね」
などと、矢継ぎ早に相づちを打っています。

Cさんは、Dさんの相づちを聞けば聞くほど、『自分の深い気持ちを、そんなに簡単に分かるの?』、『違うんだけどな~』という気持ちが募ってきました。しまいには相談しなければよかったと、後悔しました。

どちらもの例も、話し手の不満足に終わってしまいました。
前者の場合、相手の感情を受けて、感謝の意を表すのが先決でしょう。
後者の例では、分かったふりをして流さず、「もう少し詳しく話してください」とか「○○というのはどういうことですか」と尋ねた方が良さそうです。

仕事の場では、忙しい、大変、という思いが強く、なかなか相手の感情にまで注意を払って聴く余裕を失いがちです。
でも、なんとかなる、大丈夫と心に余裕を持たせて、傾聴できるようになりたいものです。