多様性の受容

こんにちは、新雪です。

今回は「自分と他人の違い」について書きたいと思います。

私はキャリアカウンセラーという職業柄、
キャリアカウンセリングを通じて、日頃から数多くの方々とコミュニケーションをとっています。

その際によく感じることが、「やっぱり人は自分とは違うんだな」ということです。

当たり前過ぎる結論です。でも、キャリアカウンセリングの現場では、この当たり前のことを無視してしまうことがいまだにあります。

最近あったことなのですが、「就職」がテーマのキャリアカウンセリングで、女子大学生が来訪してきました。

初めて対応する方でしたので、相談したいことをまずはじっくりと聞きながらすすめていきました。

その後、私の方からも質問をしながらやりとりをすすめていったのですが、ある質問についてこの学生は答えに窮してしまいました。

その質問は、
「(希望する)その会社の仕事について現段階ではどの程度なら出来そうですか?」
という質問でした。

この学生は、建築学科の学生で大学生活では建築設計に関することを学んできていました。
そして、希望の就職先としてはハウスメーカーの建築設計で、今回の相談では具体的な企業も決まっているところで相談に来ていました。

そこで私は、就職できる可能性を学生自身に感じて貰えれば、という意図で先のような質問を投げかけたのです。

私のイメージでは、学生自身が自問自答した上で
・何割位はできそうです。
・今はほとんどだめだけど、将来的にはできそうです。
・全く何もできる気がしないので不安だけです。
など、何か回答が返ってくることを期待していました。

しかしながら、その期待はあえなく裏切られ、この学生の回答は
「わかりません・・・」
の一言だけ。

私にとっては意外であり想定外な回答でした。
正直な私の内面における反応は、
「なんでわからないのか???」
「はっきり言えないまでも何か回答があるはずだろう。」
という言葉が頭の中には浮かびました。


その言葉を表に出してはこの学生を否定してしまうようなものなので
そこはグッとこらえて
「わからない?」
と返しました。

そうすると学生からは・・・
「私は何をするかはわからなくても入社してから頑張れば良いと思っていた。」
「なので、具体的なその会社の仕事はわからないので答えられない。」
という返答。

何をするかも分からずに志望するというのは、自分の思考の枠組みではありえないことだったのですが、「人はそれぞれで、いろんな思考や言動がある。」
この基本に立ち返らされる瞬間でした。
そして、いつまでたっても自分の枠組みにはまってしまうことを再認識しました。

これはキャリアカウンセラーとしての失敗、反省談になりますが、日常の何気ないコミュニケーション場面でも同じようなことがよくあるのではないでしょうか。

多様性を認め合う、受け止めること・・・これは、日頃から意識して注意していかないと、言葉で言うほど容易ではないように感じています。

キャリアカウンセリングを生業にするものとしては、率先して多様性を認め、受け入れていきたいと思っています。

新雪