ある新入社員の悩み

こんにちは、にゃんすかです。
爽やかな季節になってきましたね。風薫る5月ですが、5月病、という言葉も聞く季節ですね。


5月病とは、ウィキペディアによると、「新入社員や大学の新入生などが、新しい環境に適応できないことに起因する精神的な症状の総称」とあります。


新しい環境に向けて、やる気はあるものの、ちょうど1か月くらい経って、うまく溶け込めないことでうつ病に似た症状が起こってしまうことがあるようです。一人で抱えずに、身近な人に話してみて欲しいところです。

私が仕事をしている相談室にも、この時期は、新入社員のクライエントが相談に来ます。
A子さんが初めて相談に来たのは4月の2週目。残業は多いし、接客のマニュアルでは営業トークが求められており、自分がやりたい接客とは違う、という気持ちで、「もうついて行けなそうです」という内容でした。


A子さんは、そこで感じたギャップや不満を上司や社長にも伝えたそうですが、入社2週目のA子さんの話をまともに聴いてくれることもなく、「とにかく言われた通りにやればいい」と言われ、「辞めたい」と言っても、逆に説教をされて、なかなか辞めさせてもらえなそう、とのことでした。

その後、会社から言われたことは、4月末の3日間の研修に出て、そこでもう一度考えてみろ、ということでした。A子さんは、では研修だけ出て辞めよう、と思ったとのことですが、この研修で、A子さんには、とてもたくさんの気づきがあったようでした。


研修後に相談室に来た時には、その時のノートまで持ってきて、研修での自分の気づきについてとても熱く語ってくれました。その研修での、A子さんの一番の気づきは「人の話を受け入れる」ことだったそうです。「受け入れる」と言っても、そのまま同意するのではなく、「そういう考え方もある」ということを自分の中に受け入れて、自分の考えや価値観と照らしあわせて、最終的には自分で判断するという意味とのこと。


そのことの大切さに気がついたA子さんは、研修の終了後に所長と上司のところに行き、研修を受けさせてくれたお礼のあとに、自分の気付きについての報告をしたそうです。
それを聞いた社長と上司は「その言葉が聞きたかった」と言ってくれ、「そうして考えて出た結論が退職なら、A子さんの決めたことを応援する」と言ってくれたとのとでした。


少し興奮気味に話すA子さんは、とても頼もしく、ほんの2週間前まで、一方的に上司や社長に対しての不信感や、不満を言っていた彼女とは全くの別人のようでした。

キャリアカウンセリングをしている中で、クライエントの成長を間近に見ることがあり、そのたびに、一人ひとりの持つ力に感動します。
今もA子さんが元気に働いてくれているといいな、と思っています。