占いとカウンセリング

数日前、ある中小企業の女性社長さんと仕事の話をしていたのですが、ひょんなことから、その社長さんの趣味が占いだという話になりました。

 

長年、占いの勉強をしているそうで、仲間の社長さん達や顧客から、是非みて欲しいという依頼も多いそうです。
聞けば、ある企業では、プロジェクトのメンバーを社員から選抜するときに、社長が占いでメンバーの相性を確認したり、プロ野球のあるチームは、スタメンを選ぶのに占いも併用しているとか。

 

勿論、最初は実績などをベースに、論理的にメンバーを選ぼうとするのですが、それでも決めきれないということはよくあり、そういう場合に占いに頼るようです。

その社長さんは、IT系企業の社長なのに、占いにはまっていることに驚きました。
私の占いをしてあげるというので、生年月日をお教えしたら、鑑定結果を教えてくれました。
占ってもらったのは、生まれて初めてでしたが、その結果を聞いて、なかなか当たってる!

 

最も、印象に残ったのは、社長さん自身のタイプと、同席していた副社長さんのタイプ、そして私のタイプが、三者三様でかなり異なっていて、うまい具合に互いの足らないところを補完したり刺激しあったりして、非常に良いトリオだと言うのです。それでひとしきり盛り上がり、意気投合することができました。

信じる、信じないは別にして、互いを良く知る会話のきっかけのツールとしては有効だなあと思いました。

カウンセリングと占いは、どちらも、相談者の悩みや不安を軽くし、解決に向かって歩み出す手助けをすることを目的にしているという点は共通していると思います。


けれども、そのアプローチは、全く異なる点が面白いと思いました。
カウンセリングのアプローチは、個人の気付きや努力で運命は変えられるという思想が根本にあります。ロジャーズの心理学的に言うと、人間には自己実現する力が自らの中に備わっているという考えに基づいています。その力を十分発揮できるように、カウンセラーは支援をするという役割です。

 

それに対して、占いは、運命論的な鑑定結果と言う答えを、直接提供します。個人でコントロールできない不可避の力が大きいという思想が大もとにあります。

あなたのタイプはこうで、だからこういう問題が起こるのです。解決のためにはこうすべきです、と答えを与えます。このような傾聴や経験代謝のサイクルを回す支援抜きでロールプレイングすれば、カウンセリング資格の試験では、間違いなく落とされるのは、言うまでもありませんね。