国家資格化されたキャリアコンサルタントの第一回実技試験対策講習の真最中です。
課題発見講習で、ご自身の改善すべきポイントをご理解いただいても、
そこは実技試験の難しさ。
なかなか、頭で思っていることを、直ぐにはできるようになりません。
それができるようになるご支援をする毎日です。
私も昔、実技試験対策講習を受けたとき、改善点には比較的早くに気づきました。
けれども、それを実際のロールプレイングでできるようになったのは、4回目の講習くらいでした。
自転車の乗り方を学習するのと似ていますね。
一旦、「あっ、こういう感覚なのか」とできている感じを体得すると、そのあとは、比較的楽にできるようになります。
複数の受講者の方から最近、立て続けに言われたのが、「共感していると受け取ってもらえないんです」という悩みです。
第49回のCDA2次試験の講評の中でもそのようにコメントされたという方も。
こういった方々は、ご自身の心の中では共感しているのだけれど、それがクライエントに伝わらないということが多いと思います。
ロールプレイングでは、緊張している上に、頭の片隅で、「これはできているだろうか、こんなことを言うとマイナスにならないのだろうか、あと何分位残っているのだろうか」などと考えておられると思います。
そのため、ついつい、クライエントをよく見ていない、クライエントの話の内容に合わせて表情を変えられないといったことになりがちになります。
ここで強調したいのは非言語表現の大切さです。
普段の状況ですと当たり前と思われるでしょうが、クライエントの細かい表情の変化や目の動きなど、感情が表れやすい身体の動きを絶えず見ることが必要です。
そこには、言語表現では語られない重要な思いが出ています。
そして、そのクライエントに思いをはせるこちらの仕草は、「自分のことに関心を寄せてもらっている」とクライエントに自然に感じてもらえます。
クライエントに対する視線の高さは、基本、相手の目の位置に合わせるのがよいと思います。
上から視線だと、相手を見下している感じになってしまいますし、下から視線だと、自信がない、あるいは甘えているという印象を与えがちです。
上記のような非言語表現に関する改善と、「伝え返し」をもっとマメにするという言語表現の改善で、「共感していると受け取ってもらえないんです」という悩みを軽減できることが多くあります。
適度な「伝え返し」で、クライエントに「あなたの話をよく聴いていますよ。あなたの話に関心があります。もう少し話してください。」というメッセージを伝えることができます。
勿論、皆さん、ある程度は「伝え返し」をされるのですが、上記の悩みをお持ちの方は、それが少ないように思います。
「伝え返し」が少ないと、クライエントからするとフンフンと聞いているだけと見えてしまいます。
日常の会話では、「ここまでマメに丁寧に伝え返さないよね」と思うくらいすることが、傾聴の場では、ちょうど良いということが多いと思います。
試験まで、あと2週間と少し。
まだ多くの方は色んな課題を抱えて、自信を持てるまでに至っていないかもしれませんが、実技試験対策は練習あるのみです。
講習会の場だけでなく、職場や家庭などでも、課題を意識して練習してみてください。