テレビのワイドショーは相変わらず、タレントや政治家などのゴシップを毎日、毎日、何時間も流しています。
色々と事情があるのでしょうけど、メディアに追いかけられる人は大変だなと思います。
知られたくないことが世間に広まってしまい、あげくは自分の職業生命が絶たれたり、家族との生活が破たんするなど、大変なことにもなりかねません。
メディアは、国民の知る権利のためと念仏のように言いますが、本当にそうなのでしょうか。
それなら、国の将来や私たちの生活に関わるもっと大切なことについて、多くの人が疑問に持っている事をしっかり追いかけて、時間を使って報道して欲しい。
でも、そこは政権や大スポンサーへの遠慮があるのか、ものすごく歯切れが悪い。
結局、視聴率や新聞・雑誌の販売部数が関心事なんですね。
番組でレポーターやコメンテーター、MCは内容に応じて怒ってみたり、心配したりする表情や声を作っていますが、本当にそうなら、彼らの仕事はできないと思います。
もし彼らが、真剣に相手の状況を思いやり、自分が知った秘密を抱え込んでいれば、病気になってしまうでしょう。
しょせん、他人事であり、個人の秘密を暴露し、好き勝手にそれを操作して視聴率をとるのが仕事だから、毎日、元気に過ごせるのですね。
実際、自分がメディアに追いかけられ、あれこれ暴露される側に立ったときは、いつもの他人を批判したり断罪したりする明快さはどこへやらとなります。
このようなメディアの対極にあるのが、カウンセリング関係の仕事かもしれないと思います。
クライエントが心の奥に抱いた秘密は、うまく開かれるとその人の自己成長に結びつきます。
秘密を守ってくれる人に傾聴してもらうと、話し手は迷いや苦しみを感じながらも、だんだんと自己探索進み、自分のとるべき行動が見えてきます。
ですからカウンセラーは秘密の大切さを知っています。
ちなみに、キャリア・コンサルティング協議会の「キャリアコンサルタント倫理綱領」の守秘義務の条項はこのようになっています。
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第5条
・キャリアコンサルタントは、キャリアコンサルティングを通じて、職務上知り得た事実、資料、情報について守秘義務を負う。但し、身体・生命の危険が察知される場合、又は法律に定めのある場合等は、この限りではない。
・キャリアコンサルタントは、キャリアコンサルティングの事例や研究の公表に際して、プライバシー保護に最大限留意し、相談者や関係者が特定されるなどの不利益が生じることがないように適切な措置をとらなければならない。
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人から聴いた秘密を抱えることは大変なことです。
そのためのキャパシティーをもっと増やせるように努めていきたいと思います。